9. ケンブリッジ大学 〜人間とAIについて


MBDとAIの連携について、わたしはいくつかの妄想を持っています。この公開シンポジウムで私が話したのは次のようなことでした。巨大システムの開発で、いずれ私たちは行き詰まる。その解決のために必要な革新がある、という前置きをしたうえで、
革新ポイント1) 全てをモデルでつなぐ革新
技術+周辺環境+人間+社会までもモデルでつなぎ、最適化する

革新ポイント2) AIと 人間の 開発分担の 革新
仕事の上流を人間が分担し 下流を AIが分担する
→課題:人間の要求が曖昧すぎて、AIと正しく会話できない
革新ポイント3) 人間同士、組織同士の 連携革新
複数の企業や研究機関があたかも1つの企業体のようにつながりたい
モデルベース開発 で 巨大シミュレーションを動かし最適化する
→課題:大規模すぎて人間が意思決定困難。AIのサポートが必要


このシンポジウムのあと、ケンブリッジ大学のAIの権威 カール・ラスムーセン教授を紹介いただき、このAI+MBDの革新の話で大いに盛り上がった。初対面のとき、この話を1時間以上もしたと記憶している。人間がAIと正確に会話するためには、新たな言語がいるだろう、という話にまでなった。ありがたいことに教授とは良い関係を継続させていただいている。教授がいつもおっしゃることは、将来も人間が中心であるべきで、AIが何んでも自動でやるべきではない、AIは人間の意思決定を助けるエンジンであるべきだ、という主張。もちろん教授の主張には、100%共感しています。まさにホーキング博士のお考えの継承者ですね。
Gaussian Processes for Machine Learning
AIの研究者にとっては、ガウシアンプロセス理論の聖書らしく、私の身近でも多くの方が読んでおられるようだ。AMAZONで買うと7000円もするのだが、実はPDF版が無料公開されている! どうなってるのかわからないくらいすばらしい!
制御系設計ツール MATLAB の MBC(AI)には、この理論に基づき教授の開発した関数が、古くから搭載されている。わたしたちは、ずいぶん昔から、その関数を活用してきた。当時は、教授と面識なかったわけで、奇遇にも、である。教授と2回目の対面をしたときにこの奇遇に気づき、この話でおおいにもりあがった。一緒に訪問していた同僚は、この本の読者でもあり、この本に教授のサインをもらって、感激しまくっていた。そりゃそうだろ、彼にとっては、技術の神に出会った感じだったはずだ。
この本の表紙、多峰性の山々である、AIで扱うのもそんな問題であるけれど、教授の趣味が「登山」ということも偶然ではないだろう。ケンブリッジ周辺の山は、もうぜんぶ登り尽くしていて、最近は遠くまで、登りに行きます、とおっしゃる。これも何かの比喩に聞こえる。
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〜 ミスター・モデルベース開発 と呼ばれた男の独言 〜
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